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「高槻・淀川の鵜殿を遊ぶ」鵜殿ヨシ原の観察会

こんにちは、オープンたかつきです。
ゴールデンウィーク最終日の5月6日、淀川沿いに広がる「鵜殿ヨシ原」の観察会を開催しました。

2月の終わり、春の始まる前に行うヨシ原焼きなどで、
高槻に「鵜殿ヨシ原」というところがあるのはご存知かとは思うのですが、
いまひとつ価値が広く伝わっていないのでは・・・
そこで、この方にご登場いただきました。
鵜殿ヨシ原研究所の小山弘道先生です。_S8R0679小山先生は、1975年から鵜殿ヨシ原の自然環境の調査・研究のほか、
保全活動も行っておられます。

鵜殿と呼ばれるこの場所は、のびやかなパノラマの美しさや、
また水運の要所でもあることから歴史的にも重要な場所でもあり、
(「殿」がついた名称は、「御殿」があったからではないか、とも。)
昔から多くの文献などにも現れます。
そしてこの場所で育つヨシは大変良質なこともあり、
雅楽の楽器「篳篥(ひちりき)」の音を出すための大切な部品である「蘆舌(ろぜつ)」は、
鵜殿のヨシで作られたものが最良とされています。
世界中で、昔から生活の中に利用されてきた植物のひとつ。
さらに水質を浄化したり、
ヨシ原は多くの動植物が生きていくうえでとても良い環境を保つ、
などなどなど、ヨシのヒーローっぷりは、いかほどのものかと。

そのヨシ原も近代化の波にもまれて存続の危機にさらされる時期がありました。
1970年代の初めに鵜殿の乾燥化が進み、ヨシ原のヨシが減少しだしたのです。
高槻市が小山先生に依頼し、ヨシ原の調査を開始したことをきっかけに、
官民一体となってのヨシの保全活動が始まりました。

―長くなってしまいました・・・。

現在は高槻の財産となっている鵜殿ヨシ原ですが、
高槻のみなさんですらよく知らない、よくわからない場所・・・
オープンたかつきで、
しかもヨシ原を守ってくれた小山先生のご案内で紹介する機会をいただきました。

まずは堤防から。
遠くに比叡山、間近に天王山、その合間に石清水八幡宮のある男山を眺めました。_S8R0606風が吹いて気持ちいいです。
小山先生はプログラムの中で何度も”ふるさとの景色”を大事にすることを何度もおっしゃいましたが、ここもその景色のひとつです。

堤防を降りていよいよヨシ原へ。_S8R0621今年は桜の開花も早かったですが、どの植物も同じように季節が早いようで、
ヨシもぐんぐん伸びています。
_S8R0650もじゃもじゃのヨシ原の中はずーっと必ずどこかで鳥の鳴き声が聞こえており、
意外とにぎやかです。
でもその鳥たちの姿はめったに見られない。とっても不思議です!
鳥にとっては軽々しく姿を見られるのはキケンだからだそうなんですけど・・・。
かと思えば、急に「バサバサバサッ」と飛び出してきて
心臓が飛び出そうなほど驚かされたりして、人間ってほんと油断してます・・・。_S8R0646

希少な植物などを教えていただきながら、
小山先生たちの活動のおかげで整備されたヨシ原の中の水路に沿って歩きます。
「こんなに広い空を見られるところはほかにはない。これも“ふるさとの景色”ですよ」
と小山先生。
なるほどなあ、と思いました。_S8R0678

基本的には、あたり一面緑!なのですが、ヨシ原の中にもいろんな景色があって、
「これはヨシに似ているけれどオギという別の植物」
「ヨシに巻きついたこのつる草。これがヨシを枯らしてしまう」
「ヨシのてっぺんにとまっているあの鳥!ヨシキリです!」
など、たくさんのことを教わりながらのーんびり歩きます。_S8R0686_S8R0700
なかには、新名神高速道路開通に際しての難しい取り組みなどのお話もありました。
小山先生は「ただ反対するだけでなく、共存する方法を」と考え、
計画の変更なども起こったそう。
そういったお話には、参加者の皆様も大変真剣に聞き入っておられました。

「近くに住んでいていつも堤防からは眺めてるんだけど、ヨシ原の中に入るのははじめて。
こんなチャンスなかなかなかったので、今日はとてもよかった」
とおっしゃる参加者様もおられました。
たしかに高身長のヨシが群生するヨシ原は、1人で分け入るにはなかなか勇気が必要。
こうして研究や調査を行っている方に直接案内していただけるのはとっても贅沢なことでした。そして、高槻の自慢すべきヨシとそれを守る大切な取り組みとを、
各々で考えた1日ともなりました。
鵜殿ヨシ原研究所の小山先生、谷岡さん、
そしてご参加くださいました皆様、ありがとうございました。_S8R0721

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